企業の法務部が転職者を採用する場面では、一般的に即戦力となる法務業務の経験者を求めます。
では、法務業務未経験である場合、企業の法務部に転職することは可能でしょうか?
一般的に、法務部門は非常に高い専門性が要求される部署であり、未経験者の転職は非常に困難です。
ただし、ごく一部ですが未経験の状態で法務職への転職に成功した事例もあります。
この記事では、法務業未経験で法務部に転職できる場合について解説します。
法務部の転職におすすめ
※法務部などの企業管理部門の転職に強いエージェント
※登録は無料でできます
Contents
未経験でも法務部門に転職するためには?
基本的に法務部の仕事は専門性が高いため、すでに法律業務の経験がある経験者を採用する傾向があります。
そのため、前職で法務業務の経験がある方が前提となります。
一方で、法務業務未経験者の場合、仮に採用しても一人前になるまでの教育コストがかかるため、多くの企業では未経験を敬遠するのが現実です。
しかしながら、未経験者であっても企業の法務部に入れるケースもわずかながらあります。
具体的には以下のようなケースです。
未経験で法務部に入れるケース
- 第二新卒
- 法科大学院の修了者
- 社内異動
第二新卒
20代半ばまであれば、第二新卒という形で、未経験であっても法務部に採用されるケースはあります。
この場合、前職で法務と全く関係ない仕事をしていたとしても、ポテンシャルで採用される可能性はあります。
ただし、大学で法学部を卒業したなど、ある程度の法律の前提知識があったほうが望ましいでしょう。
第二新卒として法務部に転職するための条件は、新卒で就活する場合と共通します。
新卒で法務部に就活する際の留意点については、下記の記事で詳しく解説しています。
-
法務部に新卒で入るには?狙うべき企業と必要な資質
大学の法学部など、法律を専攻した方であれば、就職の際に法律関係の仕事を選択したいものです。 その際、選択肢となるのが企業の法務部です。 では、新卒で法務部に入ることは現実的なのでしょうか? また、どう ...
続きを見る
法科大学院を修了している
法科大学院の修了者を未経験で採用するケースです。
あるいは、予備試験の合格者など、法律の学習経験者を採用するケースもあります。
これらは、実務経験は無いものの、法律的な専門知識を期待して採用するものです。
ただし、こちらも年齢的な条件があり、少なくとも20代でないと難しいでしょう。
なお、法科大学院卒の方の就職については、下記の記事で詳しく解説していますので、こちらをご参照ください。
-
法科大学院卒からの就職・転職|民間企業に入れる?
大学の法学部などで法律を専攻した人は、司法試験を受けるために法科大学院への進学を選択する方も多いでしょう。 その際のキャリアとしては、司法試験に合格した後、司法修習生として法律事務所に就職する、という ...
続きを見る
社内異動
大企業であり得るのが、社内異動で法務部に異動する場合です。
もちろん、将来的に他社の法務部に転職するために、積極的に異動を希望して、法律関連の業務経験を作っておくという方法もあります。
あるいは、スタートアップなどの比較的小規模の企業に転職し、法律関連の業務を行うということもあります。
例えば、スタートアップなどの規模の小さい企業では、法務担当者でなくても、自分の意欲次第で法律業務に関われる可能性があります。
こういった経験を積むことで、経験者として法務部に転職できる可能性が高まります。
法務部に未経験で転職する場合の心得
上述のように、未経験で法務部に入れるケースは限定的で、容易ではありません。
ここでは、未経験で法務部に転職するための心得を整理しておきます。
具体的には、以下が挙げられます。
- 法律的なバックグラウンド
- コミュニケーション能力など人的な資質
- 法務の仕事をやりたいという意欲
法律的なバックグラウンド
法務部における転職の場合、実務は未経験であっても法律的なバックグラウンドを持っていることが望ましいです。
具体的には、法学部や法科大学院の出身者です。
こういった方は、実務未経験でも、企業の新卒もしくは第2新卒枠として比較的採用されやすいです。
一方で、法学部以外の出身者の場合、過去に何らかの法律業務に関わった経験が無いと厳しいでしょう。
こういった方の場合、
- 中小企業で法務業務を兼務する
- 法律系の資格を取得する
などの対策が考えられます。
コミュニケーション能力など人的な資質
未経験者では、将来的なポテンシャルを示すために、コミュニケーション能力など人的な資質が重要になります。
企業の法務部では、社内の別の部署や法律事務所など多くのカウンターパートとやり取りをすることが多いため、コミュニケーション能力は重要な資質です。
また、未経験で新しい業務にチャレンジすることになるため、新しい知識を貪欲に吸収できる柔軟性も必要です。
こういった資質をアピールできるようなエピソードを持っておきましょう。
法務の仕事をやりたいという意欲
未経験者の場合、法務の仕事をやりたいという意欲をうまくアピールする必要があります。
- なぜ法務部に転職したいのか?
- これまでの経験を法務業務にどう活かすのか?
などをしっかり考えることが重要なポイントになります。
やはり、未経験者として法務部に入った場合は、実務に必要な知識を素早くキャッチアップしていくことが求められます。
そのために、法務業務に対するやる気があるかどうかは重要な要素なのです。
まとめ
以上、未経験者が法務部に転職するため方法について解説しました。
まとめると以下のようです。
- 未経験であっても、法学部や法科大学院の出身者は比較的採用されやすい
- 法務部の出身でない場合は、社内異動などで法律業務の経験を積むことが重要
- 未経験者では、将来的なポテンシャルを示す人的な資質が評価される
- 法務の仕事をやりたいという意欲を示すべき
未経験者の場合は、コミュニケーション能力や法務業への本気度といったポテンシャルも重要になるでしょう。
いずれにしても、未経験での転職には年齢的な条件が関わってくるので、早めに動くことに越したことはありません。
企業法務部への転職を検討されている方には、法律系の求人に特化した転職エージェントを活用するのがおすすめです。
その中でも、MS-Japanは法務や弁護士などの専門職に特化した転職エージェントであり、この分野の実績が豊富です。
MS-Japanは、法務部や弁護士の転職を専門に扱う特化型エージェントであり、企業法務部門の求人案件を多く持っています。
多くの求人は非公開となっており企業名が見れませんが、無料のユーザ登録することで具体的な企業の紹介が受けられます。
キャリア診断など有益なサービスもありますので、転職活動を検討している方には登録をおすすめします。
※法務部や弁護士の転職に特化した転職エージェント
※登録は無料でできます
法務部の転職におすすめのエージェントについて、詳細は下記をご参考にしてください。
-
法務部・インハウス弁護士の転職エージェントおすすめ5選
法務の仕事は専門職ということで、業界ではかなり転職が盛んです。 近年では、弁護士がインハウスロイヤーとして、企業の法務部に転職することも珍しくなくなりました。 一般的な転職と同様に、法務 ...
続きを見る